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福岡・小郡のやさしい調剤薬局

この方をご存じですか?

 

 

ニューヨーク在住のジャズピアニスト、海野 雅威(うんの ただたか)さん。

 

 

メディアでも取り上げられましたが、2020年9月、ニューヨークで活動していた海野さんは、コロナ過のアジアンヘイトクライムで、ニューヨークの地下鉄駅で暴行を受け、右肩を骨折。

 

 

この傷ではピアニストとして復帰できないのではないかと言われていました。

 

 

しかし身体的にも精神的にも大きな困難を乗り越え、復活。

 

 

2022年3月についにアルバムをリリースされたのです。

 

 

 

『get my mojo back』

 

 

“mojo”というのはアメリカのスラングで、
神秘的な力とか生命力とか本来の能力とかを意味するそうです。

 

 

 

『自分を取り戻せ』

 

 

 

ある記事のインタビューで海野さんは、「そういうニュアンスもあるけど、自分のことだけではなく、このパンデミックによる閉塞感や不安定な世界情勢のなかで、今こそ一人一人が力を貯めて乗り切っていこうという気持ちも込めている」と言っていました。

 

 

歳は41歳。  同世代じゃないか~!

 

 

悲しいアジアンヘイトクライムでしたが、彼の心を助けたのもまたいろんな国のいろんな人種のミュージシャンたちであり、世界中のファンだった。

 

 

ホームページを見てもらったらわかりますが、そんな酷い目にあったにも関わらず、とてもやさしい表情をされています。

 

 

CDを購入しました。

 

 

やさしく、美しいピアノです。

 

 

海野さんのリーダーアルバムですが、サックスやトランペットなどのホーンセクションを前に出し、海野さんはそのバックでやさしく見守り音を楽しんでいる感じ。

 

 

ホームページやYouTubeでも一部レコーディングの光景が見れるので、よかったら見てみてください。

 

 

 

『get my mojo back』

 

 

 

確かにメッセージは受け取りました。

 

 

 

 

私たちはまだまだやれる。

 

 

 

 

新型コロナウイルス感染症の早い収束、そして世界平和を願って。

 

 

 

 

やさしい薬局 勢島 英

 

福岡の小学校の卒業式が終わりました。

 

 

私たちの薬局スタッフの子では、我が家の息子も含め4名が小学校卒業、1名が保育園を卒園。

 

 

成長して嬉しいような、少し寂しいような、時間の流れが速く感じるような、
いろんな感情が湧いてきます。

 

 

私が大好きな本の一つに『河合隼雄の幸福論』という本があります。

 

この本の中に、

 

 

「親が子どもの幸福を勝手に作り出し、それを子どもが幸福だと信じることで、
自分が安心したがっているのではないか、考える必要がある」

 

 

そして、

 

 

 

「子どもの幸福の一番大切なことは、子ども自身がそれを獲得するものだ、ということである。
とは言っても、それを「見守る」ことは、何やかやと子どものためにおせっかい焼きをするよりも、
はるかに心のエネルギーのいるものである。」

 

 

とあります。

 

 

私もつい勉強や行動に対して口酸っぱく言ってしまいますが、
それは子どもたちが自分たちの、
親の思い通りに動かないことに対しての苛立ちをぶつけているだけだと反省することも多々あります。

 

 

いつだったか、
息子が小学校で習った新川和江さんの詩「わたしを束ねないで」を読んでくれたことがあります。

 

 

河合隼雄さんもこの本の中でその詩を取り上げています。

 

 

わたしを止めないで

標本箱の昆虫のように

高原からきた絵葉書のように

止めないでください

わたしは羽ばたき

こやみなく空のひろさをかいさぐっている

目には見えないつばさの音

 

 

「優等生」とか、ある種の「勲章」とかも、その人にピン止めをしているのではないか。

 

 

その時は美しく見えても、それがその人の自由や行動を制限するものになっていないか。

 

 

河合隼雄さんはそう危惧していました。

 

 

大人になればなるほど、人はいろんなものに「束ね」られます。

 

 

だから、せめて子どものときにはできるだけ「ピン止め」せずに、自分の世界に没頭し、
それを広げてもらいたいと思います。

 

 

 

 

偶然なのですが、
このウクライナ戦争が始まる少し前からロシアの作家トルストイの『戦争と平和』を読んでいました。

 

 

 

 

この本は、ナポレオン率いるフランス軍がロシアに侵攻してきたところが市民目線で書かれています。

 

 

最初は普通の小説のようでしたが、
4巻から急にトルストイの解説が入ってきます(光文社古典新訳文庫)。

 

 

戦争はこの世で一番忌まわしい事業だ。戦争をゲームにしないことだ。
戦争の目的は殺人だ。
ボロジノの会戦でナポレオンは誰にも鉄砲一つ撃ってはおらず、誰一人殺していない。
すべては兵士たちが手を下したのだ。

 

 

ドラマ『ミステリと言う勿れ』でも、バスジャック犯が、
「逃げた奴のせいで他の奴が死ぬことになる」と言ったことに対し、整君が言いました。

 

 

「責任転嫁しないでください。手を下したのはあなたです。」

 

 

兵士は上の命令だから殺すのか。自分が殺そうと思って殺すのか。

 

 

どちらにせよ、殺したのはその人であり、その苦悩はその人にしかわからない。

 

 

殺された人の家族や友人の本当の苦しみも、その人たちにしかわからない。

 

 

指示を出しているだけの人にはわからないのです。

 

 

トルストイは戦争を通して、人々の苦しみや愛について書いています。

 

 

ロシア軍の総司令官クトゥーゾフ将軍は、
フランス軍が撤退するときに追い打ちをかけてナポレオンを捕えなかったことから、
ナポレオンにビビったとか、ナポレオンと密約をしていたんじゃないかとか
後世の歴史家からもいろいろ言われたようです。

 

 

でもクトゥーゾフ将軍は国民の感情を知っていた。国民が何を望んでいるのか。

 

 

だから人間を殺し滅ぼすのではなく、救い憐れむことに最後まで力を傾注した。

 

 

新型コロナウイルス感染症や地震などの自然災害は何の慈悲もなく人の命を奪いますが、
戦争だけは人が防げるもの。

 

 

どうせいつかは太陽も地球も無くなるのだから(何億年後かもしれませんが)、
それまでみんなで仲良くできないものか、
というのは平和な日本に住んでいる自分のエゴでしょうか。

 

 

坂本龍一さんの「Merry Christmas Mr.Lawrence(戦場のメリークリスマス)」をピアノで練習して、
昨年12月の発表会(コロナ過でビデオ撮影会でしたが)で弾きました。

 

 

クリスマスシーズンの雰囲気は好きですし、
子どもたちがプレゼントをもらって喜ぶ顔を見るのはなにものにも変えられない喜びではありますが、
その一方、新型コロナウイルス感染症だったり、戦争だったり、飢餓だったりと、
困難な状況と闘っている人たちがいることを忘れないためにも、
自己満足ではありますが、これからも指が動く限り、この曲を弾き続けようと思っています。

 

 

ありきたりな言葉ではありますが、世界が平和になりますように。

 

 

世界の子どもたちがつばさを広げて自由に羽ばたけますように。

 

 

卒業おめでとう。

 

勢島 英

2022.01.11 /

新年が明けました。寒い日が続きますが、皆さま体調を崩していないでしょうか。

 

 

初夢、という言葉があります。

 

 

今年の初夢は覚えていますか?

 

 

私の初夢は、「エコバックを大量に買って、用途によって使い分ける」という夢を見ました(笑)

 

 

普段エコバックはたいてい一つしか持ち歩いておらず、それすらも出し忘れる場合がある私が、
なぜそんな夢を見るのか?と逆に面白くも思います。

 

 

通常私は毎日毎日、仕事の夢しか見ません。

 

 

薬が足りない夢とか、何か知らない薬が出てくる夢とか。

 

 

夜中にガバッと起きて、夢に出てきた知らない薬をすぐに調べたこともあります。

 

 

これは、悪夢、でしょうか(笑)

 

 

副作用に“悪夢”という記載がある薬も実際にあります。

 

 

患者様からも「これを飲みだすと悪夢を見るようになった」と言われることがあります。

 

 

そんなとき、「あなたの悪夢ってどんな内容ですか?」と深く聞いてみたいのですが、
なかなかそこは突っ込んで聞きにくい部分ではあります。

 

 

夢というのは、
「睡眠中にその日の記憶の整理を行っている脳の状態である」とある本に書いてありました。

 

 

それなら、ほとんど仕事に脳を使っている毎日で仕事の夢を見るというのは
理にかなっているといえます。

 

 

ただ不思議なことに、私は仕事始めの1月4日の明け方に見た夢が、仕事の夢だったのです。

 

 

明日から仕事、と少しは思っていましたが、日中は子どもたちと遊んだり、
好きな本を読んだり、ピアノを弾いたり、ほとんど仕事のことは考えていませんでした。

 

 

脳がその日の記憶の整理だというのなら、もっと違う夢を見てもいいのでは?

 

 

なのに、仕事が始まってないのに仕事の夢を見た。

 

 

もう私の脳は一足先に仕事モードに入っていたのでしょうか。

 

 

夢は誰でも3~5個くらい睡眠時に見ているらしく、
最後の、とくに眠りの浅いレム睡眠時に見た夢を覚えていることが多いそうです。

 

 

そうなると、今度は「夢の不思議」が気になって、
本棚から私が大好きな河合隼雄さんと谷川俊太郎さんが対談した本
「魂にメスはいらない」
を引っ張り出し、夢について書かれたところを読んでみました。

 

 

河合隼雄さんは心理カウンセラーですので、夢についても治療に使うことがあったそうです。

 

 

一方、谷川俊太郎さんは詩人。夢に関しては、谷川さんはいつもあまり覚えていないそうですが、
他の作家さんでは夢で原稿料を稼いでいる人がけっこういます、なんておっしゃっています。

 

 

この世で生きていく上で、自我というのは非常に大事。夢にはそれと違う次元のものが出てくる。それに注意を払おうとしたって、次元が違って自我意識に取り入れにくいものだから、忘却して当たり前。分析を始めると夢を見るようになるというか、覚えるようになる。みんな夢は見ているんですよ。”

                     「魂にメスはいらない」より一部抜粋、改変

 

 

なるほど、わかったような、わからないような。

 

 

 

自分でも悪夢は見たくないし、患者様にも副作用で悪夢なんて見て欲しくないので、
なにか「悪夢のメカニズム」や「悪夢を見なくてすむ方法」とかわかればいいと思って
インターネットで調べると、専門家がいろいろ書いていらっしゃるのでよかったら見てみてください。

 

 

とにかく、睡眠時の夢よりも、目標としての夢を今年はもっと考えようと思います。

 

 

世界中の新型コロナウイルス感染症が今年は終息に向かってくれますように。

 

 

勢島 英

 

 

 

 

朝晩が寒くなりましたね。

皆様、体調はいかがでしょうか。

私はこのお菓子が、「夏」から「秋」に変わった時に「ああ、もう秋か」と感じましたが、

それからまだまだ暑い日が続き、やっとやっと寒くなってきたなと今、物思いにふけっています。

 

 

新型コロナウイルス感染症が発見されてから、もう2年が経とうとしています。

マスクには慣れましたか? 生活は? 仕事は?

日本ではだいぶ感染者は減っていますが、まだまだ油断できませんね。

 

 

さて、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、いろいろなことが変わりました。

 

 

今回は、私にとっての「変わるもの」「変わらないもの」を書こうと思います。

 

 

少し前の話ですが「レゴフレンズ」というアニメが民放で再び始まり、娘と見ました。

見てビックリ。登場人物は同じなのですが以前の絵ではなくキャラクターの顔、声も違う。

以前のレゴフレンズが好きだったので、娘もちょっとがっくり。

でも、しばらく見続ければ慣れるでしょうか。

 

 

我々もドラえもんの声が変わった時はショックだったけど、今はすっかり慣れましたよね?

(水田わさびさんに代わってもう15年以上経っている!)

えっ?慣れてない?

 

 

「バットマン」もクリストファー・ノーラン三部作のクリスチャン・ベールのバットマンがサイコー!

と思っていましたが、ベン・アフレックのマッチョなバットマンを見ると、これはこれでイイネ!と思う。

 

今度新しいバットマンがまた映画でありますが、それはそれで受け入れられる気がします。

 

 

その一方、未だに受け入れられないものもあります。

 

 

「トリック」という大好きだったドラマシリーズがあります。

阿部寛さん、仲間由紀恵さんが主演で、監督は堤幸彦さん。

最高に面白く、スペシャルドラマ化、映画化もされました。

そのエンディングテーマは鬼束ちひろさんが歌っていました。

トリックの世界観と歌声がマッチし、最高の組み合わせ。

鬼束ちひろさんを世に知らしめた「月光」。

そして、ドラマ2シーズン目では「流星群」、

3シーズン目では「私とワルツを」。

どれも素晴らしい音楽。

 

と、思っていたら、ドラマの新作スペシャルでは歌手が変わったのです。

新作スペシャル1、2、3、すべて違う歌手。

その方々もちろん素晴らしい歌で良かったのですが、

やっぱりトリックは鬼束ちひろさんでいて欲しかった!いろんな事情があったのでしょうが。

これはDVDを見返した時も、未だに受け入れられません。

(でも完結編の映画では、また鬼束ちひろさんに戻ったので感動!)

 

 

大ヒット漫画「鬼滅の刃」のアニメの続編が始まっていますが、

「無限列車編」の歌は今までと同じく「LiSA」さん。

そして、その続編の「遊郭編」はLiSAさんではなく、「Aimer」さんだとか。

さて、それを受け入れられるか。

うちのスタッフは「Aimer」さんもとてもいいですよ!と言って喜んでいましたが。

 

 

 

思えば、007シリーズは何作か毎に主役のジェームズ・ボンドも変わり、

次は誰だろうという楽しみ方もあります。

ミッション・インポッシブルは、今もなおトム・クルーズががんばってくれていて、7作目を作製中だとか。

 

 

私としては、「変わらないもの」のほうが好きなタイプです。

 

ちょっと時間があれば、観たことのない映画を観るより、過去の映画をもう一度観るタイプ。

 

もちろん興味がそそられれば新しいものも観ますが。

 

本も好きな作家さんの本ばかり読んだり、音楽も好きなミュージシャンの音楽ばかりを聴いています。

 

でもここ数年は、できるだけ新しいものにチャレンジするようにもしています。

 

 

 

 

ダラダラと何を言いたかったのかといいますと、まずは人間の慣れ、順応性はすごいなということ。

 

この新型コロナウイルス感染症の時代、緊急事態宣言にでさえ、よくも悪くも「慣れ」が出てきていました。

 

ただ、その「慣れ」「順応性」がないと、生物は絶滅してしまう、ということもいえます。

 

いかに新しい環境に順応していくか、それで生物の進化が問われます。

 

昔のままがいい!といくら言ったって、自然環境、社会環境は変わっていくものなのです。

 

AI(人工知能)なんて嫌い!

 

ターミネーターが生まれる!なんてわめいても、技術の開発は止まらないのです。

 

 

 

中国では、デザイナー・ベイビーが誕生しました。

何かと言うと、親の望む体質にするように、受精卵の遺伝子操作をして生まれた子どもです。

さすがにこの研究者は逮捕されたようですが、

もう実際にそういう子どもが生まれる“技術は存在する”ということです。

だから、それを批判するばかりではなく、それに必死についていくのではなく、

思考を先に、先に、いかないといけない。

 

 

一方、世界でもっとも収入が多いといわれるAmazonのCEOジェフ・ベゾス氏はこう言っています。

 

 

「10年先は何が変わっているか、という質問はよく聞かれるが、10年先に何が変わってないか、はあまり聞かれない。何が変わるもので、何が変わらないのか。10年経って何が変わらないものなのかが重要だ」

 

 

薬局も医療も「変わるもの」「変わらないもの」を常に考えていなければいけません。

 

そして「変わるべきもの」「変わらずにいるべきもの」も。

 

私もそれを考えます。いつもの蕎麦屋さんでいつもの変わらない好きな蕎麦を食べながら。

 

勢島 英

 

 

つい先日、予約していた新発売のCDが届きました。

 

カーペンターズの兄、リチャード・カーペンターのピアノ・ソロアルバム「PIANO SONGBOOK」

 

カレンの素晴らしい歌声は過去の中でしか聴けませんが、

リチャードがカーペンターズの楽曲にピアノで新しい命を宿します。

とても温かく包み込まれるようなやさしい音色でした。

 

 

だんだんと気温の差が大きくなってきましたね。皆様体調は大丈夫でしょうか?

 

新型コロナウイルスは、全国で減ってきているとはいえ、まだまだ猛威を奮っています。

私たち薬局薬剤師も最善の注意を払っておりますが、見えない相手との闘い、

いつ誰が感染してもおかしくありません。

 

さらに、これから季節が移り変わり、冬に向かっていきます。

 

ただでさえ体調を崩しやすい季節、私たちも体調管理にいっそう気をつけなければなりません。

そこで、当薬局で働いてくださる薬剤師を募集しております。

 

コロナ過はまだしばらく続きます。

 

もう少し人数に余裕を持たせ、皆で助けあって、支えあって仕事ができればと思っております。

そして、未来の理想の薬局に近づくために、ぜひ力を貸してください。

 

勤務地は、福岡市もしくは小郡市です。

どこの店舗でも『やさしい薬局』として、働きやすい環境だと自負しております。

ご興味がございましたら、ぜひこちらまでご連絡ください。

セジマ調剤薬局薬院 092-762-2130 採用担当;田頭仁美(でんどうひとみ)

 

今後も、患者様にも他職種の皆様にも、職員にも『やさしい薬局』であり続けるため、

日々精進してまいります。

やさしい薬局 長尾店 勢島 英

子どもたちが福岡市にある水族館「海の中道マリンワールド」に行きました。

 

数年前にリニューアルして、いろんな工夫がされて、とても魅力的な空間になりました。

 

今回、私は行けなかったのですが、妻がパンフレットを見てみて、と。

 

それがコレ↓

 

とても、とても心に響く言葉。美しく、やさしい言葉です。

 

 

私たちには、言葉がある。

 

 

それは、誰かを責めるためのものではなく、非難するためのものでもなく、本来はヒトとヒトとが深く繋がるためのものだったはずです。

 

 

世界中が感染症に苦しむこんな時だからこそ、私たちの薬局でも言葉を大切にしたいと思います。

 

 

なかなか行く機会が作れませんが、また必ずマリンワールドの海に、魚に会いに行きます。

 

勢島 英

サッカー界のレジェンドといえば三浦知良選手。スキー界では葛西紀明選手、そして、サックス界、いや、ジャズ界のレジェンドは渡辺貞夫さん、通称ナベサダ。

 

現在、87歳。現役のサックスプレイヤー。

 

福岡でLIVEをするというので、急いでチケットを取りましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期。先日、ついに開催されました。

 

いやー、凄かった。

アルトサックスのナベサダさん、ピアノの小野塚晃さん、ベースの粟谷巧さん、ドラムスの竹村一哲さん、みんな素晴らしかった。

 

 

それにしてもナベサダさんは元気。10年くらい前にタバコを止めて、その時に「OUT FOR SMOKE」という曲を作ったらしい(笑) タバコを求めるような(?)かっこいい演奏でした。

 

医療者としては、87歳、しかもタバコを何十年も吸っていて、なんでこんなに元気でパワフルな音を出せるのだろうと不思議に思います。だってサックスは息を吹き込んで演奏する楽器だから。

肺活量、腹筋、あとはマウスピースを歯で支えるので歯が丈夫でないといけないし、指も速く動かないといけない。もちろん体力も必要。

 

やっぱりいつまでも健康であるためには、『意欲、気持ち』が大事なのでしょうか。

 

20年ほど前、東京に住んでいた時に、渡辺貞夫さんの50周年LIVEを渋谷のbunkamuraホールに聴きに行きました。初めて生で聴いたナベサダさんの音。

当時、ナベサダさんは60代後半でしょうか。『My Dear Life』。暖かく、やさしく、人生を感じさせる音色に思わず涙がこぼれました。

 

あれから20年。今回もそういう音を期待して

 

いたのですがビックリ。

音が全然違います。人生を達観したというか、暖かくもスパーっと清々しい音色。

たまにご高齢の患者さんで「もう私はいつ死んでもいいのよ」と笑いながらおっしゃる方がいらっしゃいますが、失礼ながらそんな雰囲気で、もう『今』を楽しんでいる感じ。

 

あー、違うな。自分の語彙力と表現力のなさが悔しい。

うまく表現できませんが、つまりはそんな印象です。

 

私の斜め前に座っていたご高齢の女性の方(80代くらいでしょうか)が、初めからずっと下を向いてユラユラ揺れていたので、「あれ、もう寝てらっしゃるのかな?」と思っていたのですが、その割にはソロプレイのたびに拍手はするし、曲が終わった時も両手を挙げて拍手。そして、また曲が始まったら下を向いてユラユラ。。。

 

「はっ!この方はノッてるんだ!独特のノリ方なんだ!」と途中で気づきました(笑)

 

LIVEが終わったら、お連れの方がいるのかと思ったら、その方は一人で満足そうに帰られていました。

 

今回のLIVEの観客は年齢層が高かったように思います。でもほとんどの方がナベサダさんよりは年下でしょうね(笑) 私も含めて多くのエネルギーを分けてもらったと思います。

 

最後のアンコールが終わった後、みんな笑顔でした。マスクを着けていても笑顔というのは不思議とよくわかる。ミュージシャンの方々も笑顔でした。ナベサダさんも笑顔でした。

 

やはり音楽は必要です。どんなジャンルでもいい。自分の好きな音楽を。

そのために多くのミュージシャンが、このコロナ過でも、なんとか人々をハッピーにしようと頑張ってくれているのですから。

 

まだまだ油断禁物のコロナ過ではありますが、その中での幸せを噛みしめながら帰路につきました。

 

 

渡辺貞夫2020年12月リリースの70周年ベストアルバム「Look For The Light」

 

―光を探す。

 

勢島 英

福岡は緊急事態宣言、真っただ中です。

 

 

新型コロナウイルス感染症に関して、緊急事態宣言やワクチンのことなど、いろんな人と話すといろんな「持論」がありとても興味深いです。まだまだ誰もがわからないことだらけ、ということでしょうか。薬局勤務の私たちも、いろんな情報が交錯しておりますので、冷静に情報を取捨選択し、判断することが求められています。

 

 

ワクチンが効いてくれれば、集団免疫ができてくれれば、と切に思います。

 

 

 

さて、とある記事で、お笑い芸人の爆笑問題・太田光さんがこんなことを言っていました。

 

“「ぺこぱ(今ブレーク中のお笑い芸人のコンビ)」の漫才がうまかったのは、お笑いの対立(一人が言ったことをもう一人がそうじゃねえだろ!とツッコむ)の構図に上から一つかぶせたこと。

その対立の上に一つ、「○○かもしれない」や「いや自分が○○すればいい」をかぶせる。

 

もしかしたら今の社会にも、対立の上にひとつかぶせる想像力、相手を思いやる発想が必要かもしれないですね“

 

 

「ぺこぱ」は全肯定漫才で、ノリツッコまないボケとか否定しないツッコミとかいわれます。

 

確かに斬新で面白いのですが、なんでこんなに今人気なのだろうと考えると、このコロナ過、責任追及や人を非難することばかりのこのご時世に、人の本能として、太田光さんのおっしゃるとおり、相手を思いやる発想に「ぺこぱ」の漫才が見る人の心にリンクしているのかもしれませんね。

 

 

 

 

私の好きな本に「火星の人」という本があります。

 

これはマッド・デイモン主演の映画「オデッセイ」の原作本です。

 

映画も良かったのですが、本はとても面白いです。この本に、こんなことが書いてあります(ネタバレ注意)。

 

 

 

火星に取り残されたワトニーただ一人を助けるために、何年もかけて考えてきたプロジェクトを放棄し、数えきれない人たちが昼夜を分かたず考えてくれた。地球へ帰還途中の宇宙飛行士たちは命を懸けて戻ってきてくれた。費用は何億ドルもかかっただろう。

ワトニーは思う。「なんでそこまで?」

一部は、当然宇宙科学の未来のためだろう。

でも、ほんとうのところは、人間はだれでも互いに助け合うのが基本であり、本能だからだと思う。そうは思えないときもあるかもしれないが、それが真実なのだ。

災害や事故など、問題が起こったときには世界中の人々が、どの文化圏でも例外なく助け合う。たしかになにがあろうと気にかけない人もいるが、そういう人より、ちゃんと気にかける人間のほうが圧倒的に多い。

だからこそ、何十億のもの人が自分の味方をしてくれたのだ。

めっちゃクールだろ?

「火星の人」より抜粋、一部改変

 

勢島 英

東日本大震災から10年が経ちました。

 

当時、私は大学病院に勤めていました。薬剤部から出たところに患者さんの待合室があるのですが、そこでのテレビ放送にくぎ付けになりました。

 

信じられない光景を見、待合室の患者さんも誰一人言葉が出ず、シーンとしたまま、かつ張り詰めた緊張感でテレビに見入っていました。

 

ハッと我に返り、薬剤部長に報告に行きました。「先生、大変なことになっています!」

 

 

 

ヒトの記憶とは不思議なもので、いい思い出も覚えていますが、嫌な思い出、つらい思い出、衝撃的な思い出も鮮明に覚えています。

 

小さいころデパートのおもちゃ屋さんで、父親と思って手をつないだら知らないおじさんだったこと、北海道に旅行に行って祖父と湖で白鳥ボートに乗った時、お気に入りの帽子が風で飛ばされて湖に沈んでしまったこと、テストの点数で赤点をとってしまったこと、中学で白い靴下を履く決まりだったのに、寝ぼけて黒い靴下を履いて行ってしまったこと、それをとても厳しい教育主任の先生に怒られるとビクビクしていたら「お前バカか」と笑われるだけで済んだこと・・・などなど(笑)

 

9.11のアメリカの同時多発テロの時は、私は大学生の時で、友人たちとよく行く焼肉屋で肉を焼いていました。スマホを持っている友達が、「アメリカ、大変なことになってるよ」といい、でもスマホを持っていない他の面々はわからないので「へぇ~」とそのまま肉を食べ、そして家に帰ってテレビをつけたときの衝撃。

 

 

他にも家族の死、友人の死、患者さんの死。

 

 

たくさんのつらい思い、嫌な思い出、失敗、恥がたくさんあります。

 

 

きっと誰でもそうだと思います。

 

 

それを忘れてしまえばどんなに楽だろう、って思うときもありますが、その記憶が消えてしまったらどんな人間になっているだろう、とも思います。

 

 

 

 

 

 

齢を重ねるにつれ思うのが、「自分はなぜ存在するのか」ということではないでしょうか。

 

読む本も変わってきて、歴史の本を多く読むようになりました。

 

近年では「ホモ・サピエンス全史」は話題になりましたね。

 

宇宙にも以前より興味が大きくなってきました。

 

小説では、「オリジン」という大好きな小説を読みなおしました。

 

ダン・ブラウンという「ダヴィンチ・コード」「天使と悪魔」などのラングドン教授シリーズの本です。映画では、主演はトム・ハンクス。

 

 

もう、本を読んでいてもトム・ハンクスのイメージしか出てきません。ピッタリ。

 

少しネタバレになりますが、その「オリジン」は「origin(起源)」で、その題の通り、「ヒトはどこからきて、どこへ行くのか」がテーマです。

 

そのことで重大な発表をしようとした友人が殺害され、ラングドン教授がその友人が残した人工知能のウィンストンとともにその謎に挑みます。

 

 

ラストはゾクッとします。とても興味深い本です。

 

人類は120歳くらいまで生きられるような時代がきそうです。世界中で今ベストセラーになっている本。

 

「LIFE SPAN 老いなき世界」

そうなると、人生設計がまた大変ですね。

 

でも星はいつか無くなるそうなので、人類もいつかは宇宙のどこかに移住しないといけません。それまで人類が存続していれば。

 

いつか宇宙を自由に飛び回れるのでしょうか。でもスターウォーズのように宇宙でも戦争では嫌ですね。もっともスターウォーズは「遠い昔 はるかかなたの銀河系で(A long time ago in a galaxy far, far away....)」の話ですが(笑)

 

今の宇宙科学者でも宇宙の謎は生きているうちに解明できないでしょう。でもスペインのサグラダファミリア完成にはあと100年かかるといわれていたのに最近では2026年に完成とかもいわれているようです。新型コロナの影響で遅れているみたいですが、人類の技術の進歩は驚異的です。日本のはやぶさ2が小惑星「リュウグウ」へ、アメリカのオシリス・レックスが小惑星「ベンヌ」へ、そして火星探査車「パーシビアランス」が火星に到着しました。

 

とてもワクワクしています。私も生きているうちに、生命誕生の謎、宇宙の謎を少しでも多く知りたいと思います。

 

東日本大震災のような大災害や新型コロナウイルス感染症、テロや他国での暴動など、いろいろ死生観を考えてしまいます。自分の生きる意味はなんだろう、と。

 

ただその一方で、家族や友人、患者さんの笑顔が見れればそれだけでもいいかな、とも思ったりします。そして、それに加え、宇宙や生物のことを学んだり、本を読んだり、好きな音楽を聴いたり、音楽を奏でたり、美味しいものを食べたり、やりたいことがたくさんあるのは幸せなことだろうとも思うのです。

 

勢島 英

日本語というのは面白いもので、ひらがな、カタカナ、漢字を使い、さらに英語を交えたり、
和製英語を作ったり、「エモい」とか若者言葉を作ったり、方言があったり、
「いとをかし」など古文があったり。

 

先日、ある患者様から
「テレビのコロナのニュース、いろいろカタカナで言われてもわからんのよね~」
と言われました。

 

確かに新型コロナウイルス感染症のニュースでは、
最近は当たり前のように「クラスターが発生しました」といったりしています。

 

でもクラスターというのは本来「集団」であって、感染症に限定されるものではありませんね。
それが、最近はほとんど新型コロナウイルス感染症の集団、つまり「集団感染」として使われています。

 

「ソーシャルディスタンス」の場合は「社会的距離」という意味で、
これは英語でも日本語でもわかりづらい。

 

日本のニュースでは当たり前のように専門用語ならぬ、
新型コロナウイルス感染症用語が使われておりますので、
もっと分かりやすく!と文句を言いたい方もいらっしゃるでしょうけど、
まずはとりあえず、この用語に慣れておくしかないと思います。

 

ソーシャルディスタンス

社会的距離。感染防止のため、
ヒトとの距離を2メートル(最低1メートル)空けましょうということ。
社会的距離というと、社会との分断のイメージがあるため、
最近ではフィジカルディスタンス(物理的距離)といわれているようです。

 

WHO

世界保健機関。
1948年に
すべての人々の健康を増進し保護するため互いに他の国々と協力する目的で設立。
WHOの健康の定義「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、
肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」

 

PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査

鼻や口から採った拭い液や唾液から、ウイルスの遺伝子を増幅させて検査するもの。
血液検査の項目の一つである「CRP(C反応性タンパク)」と間違う方もいらっしゃるので要注意。

 

パンデミック

感染症が世界中に大流行すること。
過去のパンデミックは天然痘、ペスト、新型インフルエンザ、結核など。

 

ロックダウン

感染症等の危機、リスクが広がらないように、都市を封鎖したり、
強制的な外出の禁止や店を閉鎖したりする措置のこと。

 

アマビエ

疾病から人々を守る妖怪、だそうです。厚生労働省の啓発アイコンに使われています。
「病気が流行したら私の姿を写して人々に見せよ」と言ったそうです。

アマエビと間違えそう。

厚生労働省HPより

 

 

オーバーシュート
「超過する」こと。感染症では爆発的に感染者が増えることを意味する。
日本では「
2-3日で累積患者数が倍増する程度の速度が継続する状態」を指す。
国際的に同義語で「アウトブレイク」がある。「感染爆発」。

サッカー漫画「キャプテン翼」世代の我々は、
まず翼君のオーバーヘッドシュートを思い浮かべてしまいます(笑)。

 

エクモ(ECMO)
「体外式膜式人工肺」。従来の人工呼吸器では対応できない重症呼吸不全患者の治療に使用。

 

テレワーク
テレ(遠距離)、ワーク(働く)を合わせた言葉。
在宅勤務など、離れた場所で仕事をすること。テレビのテレでも、照れワークでもありません。

 

 

いかがでしょうか。私は「アマビエ」という妖怪や、フィジカルディスタンスは知りませんでした。
ちなみに、「ウイルス」もカタカナ語で、英語では「virus」。
だから新型コロナウイルス感染症を正式名称である
「COVID-19」の「CO」はcorona(コロナ)、「VI」はvirus(ウイルス)、
「D」はdisease(疾患)、「19」は2019年の19です。

 

 

余談ですが、海外の映画の邦題も面白いですよね。
たまに原題とまったく違う場合もあります。
私が大好きな俳優である故ロビン・ウイリアムズさんの主演映画で「いまを生きる」という題のものがあります。

この原題はなんと「Dead Poets Society(死せる詩人の会)」です!

これをこのまま邦題で最新映画「死せる詩人の会」でーす!お楽しみに!
と紹介して、日本人が映画館に足を運ぶでしょうか(笑)
今でこそインターネット等で情報を見ることはできますけど、それでも題名はやはり重要。

このDead Poets Societyではなく、映画中に出てくる重要なラテン語「Carpe Diem」から
邦題は「いまを生きる」にしたようです。
しかも、Carpe Diemは厳密には「いまを生きろ」「いまを掴め」という感じらしいのですが、
それを「いまを生きる」とした。

どなたが決めたのか知りませんが、このセンスは素晴らしいと思います。

 

映画やミュージカルで人気の「Les Mizerables(レ・ミゼラブル)」。
このフランス語の日本語訳は「哀れな人々」「悲惨な人々」という意味らしいのですが、
日本語訳の本の出版では題が「ああ、無情」。これも素晴らしいと感嘆してしまいます。

「ショーシャンクの空に」も
映画の原題は「
The Shawshank Redemption(ショーシャンクの贖い(あがない))」ですが、
これも「空に」にすることで、あの両手を広げて空を見上げ、
全身で雨と自由を感じるあの名シーンが題名を見ただけで思い浮かびます。

 

他には、英語の原題をそのままカタカナで表している映画も多いですね。

 

「Iron Man」⇒「アイアンマン」とか。これを日本語にすると「鉄男」ですからね。

 

他にも、「バットマン」⇒コウモリ男、
「ワンダーウーマン」⇒不思議な女性、
「スパイダーマン」⇒蜘蛛男、
「スーパーマン」⇒超人、
「キャプテンアメリカ」⇒米国主将、
「ワイルドスピード」⇒野性的な速度、
「ダイ・ハード」⇒しぶとい人、
「バイオハザード」⇒生物災害、など。
これらはやっぱり、カタカナがいいですね。

 

何はともあれ、わかりやすく、イメージしやすくこんなに多彩な日本語の表現があるのだから、
ニュースや政治、お役所の文章ももう少し誰でもわかるものにしてもらえないかな、と思ってしまいます。

 

カモもソーシャルディスタンス(当局スタッフが大濠公園で撮影)

 

 

勢島 英

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