梅雨明けしてから、猛暑が続いています。今年は、新型コロナウイルスの流行によりマスクが欠かせず、さらに暑さを感じる夏になっていますね。
夏は暑さによる体温上昇や発汗によって、脱水傾向が起こるなど心臓に負担がかかる季節です。中医学で“心”は血液循環と精神活動に深く関係があるといわれています。
味にも作用があり、ゴーヤーやコーヒーに代表する苦味は、体の余分な水分を排泄したり、“気”を降ろしたり、清熱・解毒の効果、そして心臓の動きを助ける働きもあります。また酸味は、汗が出るのを抑えたり、潤いを与えたりしてくれます。ただし、苦味は摂りすぎると必要な水分まで取り除いてしまい、酸味の摂りすぎは骨を傷つけてしまいます。摂りすぎには気を付けましょう。
苦味 → ゴーヤー、レタス、ごぼう、魚の内臓、緑茶、紅茶、ビール、コーヒー
酸味 → レモン、梅、スモモ、葡萄、梨、トマト、酢
“心”を助ける → 小麦、ひじき、ウーロン茶、紅茶、ココア、コーヒー
暑さと湿気、冷たいものの摂取により“脾(消化器官)・胃”も疲れてきて、食欲不振や消化不良などを起こしやすくなります。夏バテ防止のために、“脾・胃”をいたわる食事を摂りましょう。きゅうりやトマト、スイカ、メロンなどの夏野菜・果物は水分だけでなくビタミン・ミネラルも含んでいるので、水分と栄養補給ができます。
“脾・胃”をいたわる → 大豆、落花生、枝豆、とうもろこし、レタス
熱を冷ます → 小麦、春雨、小豆、豆腐、緑豆、キャベツ、きゅうり、ゴーヤー、空芯菜、香菜、セロリ、冬瓜、なす、もやし、レタス、キウイ、スイカ、梨、パイナップル、メロン、レモン、海苔、ヒジキ、もずく、わかめ、プーアール茶、緑茶
外気の湿度と大量に水分を摂ることで、体に“湿”がたまりやすくなります。少量の辛味、生姜やネギを摂ることで、体を温めて消化促進できます。
体を温める辛味 → 生姜、ネギ、シソ、ニラ、ミョウガ、唐辛子、胡椒
この時期、おうち時間が増えた方も多いと思います。いつもの食事に少しだけ薬膳の要素をプラスしてみてはいかがでしょうか。「今日は胃をいたわるごはんだ」「冷房が効いているけど、体は冷えていないかな」など、自分の体をみつめるのに良い機会になるかもしれません。
薬膳アドバイザー 勢島智子