福岡もやっと梅雨入りしました。たくさんの雨で、植物が成長していく季節です。
梅雨の季節には“脾(消化器官全般を指す)”の働きが活発になるといわれます。主に、飲食物の消化吸収、栄養分や水分の全身への運搬を担っています。そのため“脾”の機能が落ちてくると、食欲不振や消化不良、腹部膨満、下痢、内臓下垂、だらだら続く出血などが起きやすくなります。冷たいものや生もの、脂っこいものは“脾”を傷め、“湿”を増やしてしまうので、控えたほうがいいでしょう。
…とはいっても、気温が高くなってくると、冷たいものを飲んだり食べたりしたくなりますよね。私は冷たいものを摂るとすぐに腸をやられてしまうので、極力常温以上のものを摂るように気を付けているのですが、やはり今は冷たいものを摂ることが多くなっています。そのほうが爽快感や満足感があるのですが、これが食欲の落ちる原因になってしまいます。
“脾(消化器官)”は冷たい水分を苦手としています。“脾”が冷やされると、胃の蠕動運動や胃酸の分泌が低下して、食欲がなくなったり、消化が進まずにもたれてしまったりするのです。暑いときに飲む冷たいものは最初の1杯にして、そのあとは常温のものを摂るなど、工夫するといいと思います。そして、柑橘類や梅干し、お酢などの酸味を摂ることで食欲を刺激し、“脾”を助ける食べ物を摂りましょう。
“脾”を助ける食べ物 → 米、とうもろこし、長芋、じゃがいも、かぼちゃ、いんげん、枝豆、そら豆、キャベツ、黒豆、大豆、干し椎茸、アーモンド、落花生、鶏肉、牛肉、いわし、かつお
空気がジメジメしているように、私たちの体も“湿(余分な水分)”がたまりやすくなります。この“湿”がたまってくると、冷え、手足のむくみ・だるさ、下痢、また皮膚にも影響してジュクジュクした湿疹、水虫も現れやすくなります。余分な“湿”をためないようにしましょう。また香りのよい食材には“気”のめぐりを良くして“湿”を取り除く働きがあるので、取り入れましょう。
“湿”を取り除く食べ物 → アスパラガス、いんげん、生姜、セロリ、セリ、きゅうり、冬瓜、とうもろこし、ナス、レタス、すもも、小豆、黒豆、大豆、緑豆、はと麦、アーモンド、落花生、豆腐、しじみ、わかめ、ウーロン茶、紅茶、ココア、珈琲、プーアール茶、緑茶
“気”のめぐりを良くするもの → 紫蘇、玉ネギ、ピーマン、香菜、ジャスミン、ネーブル
ジメジメして過ごしにくい季節ですが、植物にとっては恵みの雨、
私たちにとっても大切な雨、気持ちよく過ごしたいですね。
薬膳アドバイザー 勢島 智子
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