今年の夏も一気に雨が降りました。雨とともに一時期涼しくなりましたが、まだ残暑が厳しいです。朝晩少し涼しくなった気がしますが、この昼間との気温差に体調を崩さないよう気をつけていきましょう。それと同時に、空気の乾燥も感じ始めました。肌トラブルが増えたような気がします。秋には“肺・大腸”の働きが活発になります。“肺”は呼吸を行う器官ですが、中医学では“気(生命エネルギー)”・“血(全身に栄養をおくるもの)”・“水(“血”以外の体内の水分)”の流れを調節する働きもしています。冷えて乾燥した空気は、はじめは体の表面から、次第に体の内部へと入り込んでいきます。皮膚や髪、のどのかさつきから、咳や喘息、肺炎、腸にも影響して便秘を起こしやすくなります。肺を潤すものを摂りましょう。
肺を潤す → 山芋、蜂蜜、アーモンド、ぎんなん、松の実、落花生、クレソン、春菊、
百合根、レンコン、イチジク、オレンジ、柿、かぼす、梨、バナナ、
みかん、りんご
咳を止める → 蜂蜜、水飴、湯葉、アーモンド、松の実、落花生、生姜、ニンニク、
百合根、イチジク、梅、梨、海苔
痰(余分な水分)を取りのぞく → 玄米、里芋、豆乳、湯葉、アーモンド、栗、落花生、
えのきだけ、かぼちゃ、春菊、生姜、大根、タマネギ
ニンニク、マッシュルーム、梅、梨、ゆず、りんご、
レモン、あおさ、あさり、昆布、ししゃも、海苔、
ハマグリ、もずく、わかめ、ウーロン茶、プーアール茶
便通を良くする → 蜂蜜、ひよこ豆、ナッツ類、ごま、松の実、えのきだけ、オクラ、
小松菜、ごぼう、しめじ、白菜、ほうれんそう、マッシュルーム、
レタス、アボカド、パイナップル、バナナ、はも、ヨーグルト、ごま油
食物には味がありますが、中医学では“五味(酸味・苦味・甘味・辛味・しおからい)”に分けられます。このうち辛味は、体を温めて余分な水分や“気”を発散させる性質があります。また、辛味には肺や大腸を活性化する働きもあります。ゾクゾクする、カゼひきかけているな、というまだ体の表面に邪気がある時には、この辛味を少量摂ることで、発散して体の中に入れるのを防ぐことができます。ただし、汗をかいて乾燥してしまうので、潤すものを同時に摂るようにしましょう。
“気”の巡りを良くする → ネギ、生姜、唐辛子、八角
今はまだ暑い日々ですが、次第に涼しくなり、冬に向かっていきます。新米に山芋、レンコン、里芋…と旬の食材には、その時期に必要な栄養が含まれています。また、寒い冬への備えにもなります。店頭に並ぶブドウや梨、栗なども、この時期でないと出会えないものばかりです。おうち時間を過ごす楽しみのひとつにするのもいいですね。
薬膳アドバイザー 勢島智子
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